大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和26(れ)1436 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人鍛治利一の上告趣意第一点について。

所論前段は刑訴四〇五条の上告理由に当らない。そして、所論を実質的に検討し

ても原判決挙示の証拠である被告人に対する司法警察官の訊問調書中の供述記載(

記録二三丁後段から二四丁裏)によれば、被告人は本件窃盗の事実を自白しており、

また同原審証人Aの供述記載(記録一八一丁乃至一八七丁)によれば、被告人は何

等建設省大阪地方建設工事部係員との間に所論のような特殊事情があつたわけでは

なく、全く無断で本件物件を持出した事実を認めることができるのであつて、原判

決には実質的にも何等所論のような違法は認められない。

所論後段については、原審は証人としてAを喚問し、弁護人は同証人を訊問し(

記録一八七丁以下)、また被告人も意見を求められたのに対し何等意見なしと述べ

ている(記録一八九丁裏)。またB名義の盗難被害届書については、裁判長はこれ

が証拠調に際し、被告人の意見弁解を求めたところ、被告人は何もない旨を述べて

いる(記録一六四丁裏)。されば被告人は右届書作成者の証人喚問の権利を抛棄し

たか、少なくともこれが喚問の請求をしなかつたものであるから、所論顛末書並び

に盗難被害届書は何れも適法な証拠能力のあるものである。したがつて原審がこれ

らを断罪の証拠に供したことに何等の違法はないから、論旨は何れも理由がない。

同第二点について。

所論刑訴規則施行規則三条三号の違憲でないことは、当裁判所の夙に判例とする

ところである(昭和二四年(れ)第二〇〇〇号、同二五年二月一五日大法廷判決、

判例集四巻二号一六九頁。昭和二四年(れ)第二一二七号、同二五年一〇月二五日

大法廷判決、判例集四巻一〇号二一五一頁。各参照)。また同条同号は「必要と認

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める場合に限り、更新すれば足りる」と規定しているのであるから、他に特段の事

情の存在を認められない本件においては、所論原審の審理不更新の措置に対しその

非を鳴らすことはできないのである。論旨は何れも採るを得ない。

以上の如く本件上告は理由がなく、また記録を精査しても本件につき刑訴四一一

条を適用すべき事由あるものとは認められない。

よつて、刑訴施行法三条の二、刑訴四〇八条により、裁判官全員一致の意見によ

つて、主文のとおり判決する。

昭和二六年一二月二一日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

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